神様トンボを捕まえてはいけない――その理由、知っていますか?
実はハグロトンボ(神様トンボ)は、生態系を守る大切な役割があり、古くから「ご先祖様の魂を導く虫」や「勝ち虫」として日本人に親しまれてきた特別な存在なんです。
もし捕まえてしまうと、絶滅の危機を高めたり、大切な縁起を壊してしまうことも。
この記事では、神様トンボを捕まえてはいけない3つの理由と、文化的な意味、生態系との関わり、私たちにできることまで、やさしく詳しく解説します。
神様トンボの秘密を知れば、きっとあなたももっと自然とつながる気持ちになれるはず。
今より少しだけやさしい気持ちで、自然と向き合ってみませんか?
神様トンボを捕まえてはいけない理由3つ

神様トンボを捕まえてはいけない理由3つについて、くわしく解説していきます。
どれも大切な理由なので、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
①生態系への影響と絶滅の危機
神様トンボと呼ばれるハグロトンボは、自然の中でとても重要な役割を持っています。
ハグロトンボは、ハエや蚊などの小さな虫を食べてくれるため、私たち人間の暮らしにも間接的に役立っています。
もし神様トンボをむやみに捕まえてしまうと、害虫が増えやすくなり、自然のバランスが崩れてしまうこともあるんです。
また、近年では都市化や川辺の環境変化でハグロトンボの数自体が減ってきていて、一部地域では絶滅危惧種に指定されるほど希少な存在になっています。
つまり、神様トンボを捕獲する行為は、さらに絶滅のリスクを高めてしまうので、絶対にやめておきましょうね。
私も子どもの頃に水辺でたくさん見かけた神様トンボですが、今ではその姿を見つけると本当に貴重に感じます。
②飼育がとても難しい理由
「家で神様トンボを飼ってみたい!」と思う人もいるかもしれませんが、実はとっても難しいんです。
まず、ハグロトンボの成虫は寿命が2~3ヶ月ととても短いので、飼い始めてもすぐにお別れの時が来てしまいます。
また、成虫は広い空間を自由に飛び回り、生きた虫を食べながら生活しますが、家庭でその環境を再現するのはほぼ不可能です。
しかも、成虫を無理に狭い場所で飼おうとすると、ストレスで弱ってしまうケースも多いんですよね。
どうしても観察したいなら、ヤゴ(幼虫)を自然に近い環境で育て、成虫になったらそっと自然に返すのがおすすめです。
私自身も子どもの頃にヤゴを育てた経験があり、成長していく姿を見守るのはすごく楽しかった記憶があります。
③縁起物としての大切な存在
神様トンボは「縁起物」としても、昔から日本人にとても大切にされてきました。
トンボは「前にしか進まない」ので「勝ち虫」と呼ばれ、武士たちにも愛された存在なんです。
さらに、神様トンボはお盆の時期によく見られることから、「ご先祖様の魂を導く虫」としても信じられてきました。
神聖な存在とされているので、捕まえたり、いたずらしたりするのはタブーと考える地域も多いです。
美しく優雅に舞う神様トンボを見かけたときは、そっと見守ることが一番の「ご利益」につながるんですよ。
私も神様トンボに出会った日は、なんだかいいことがありそうな気分になったりします。
神様トンボが生態系に果たす重要な役割5選

神様トンボが生態系に果たす重要な役割5選についてご紹介します。
では、それぞれの役割についてくわしく見ていきましょう!
①害虫を食べてくれる
神様トンボ、つまりハグロトンボは、私たちの身の回りにいるハエや蚊、アブなどの小さな虫を好んで食べます。
こうした虫たちは、ときには人間にとって不快な存在になることも多いですよね。
神様トンボが害虫をしっかり食べてくれることで、自然のバランスが保たれて、私たちも快適に過ごせるんです。
農家の方にとっても、作物を守るうえで「ありがたい存在」になっていますよ。
小さな体で、実は私たちの生活をしっかり支えてくれているんだなぁと感心します。
②水辺の環境を守る
ハグロトンボは、川や小川のそばに住んでいます。
この場所がきれいでないと生きていけないので、神様トンボがいるかどうかは「水辺の環境が健全かどうか」をはかるバロメーターになっているんです。
つまり、神様トンボが元気に飛び回っている水辺は、それだけ自然が守られている証拠。
逆に、もし神様トンボの姿が減ってきたら、環境が悪くなっているサインかもしれません。
「川の守り神」として、水辺をきれいに保つシンボルとも言えますね。
③他の生き物との共存
神様トンボは単独で生きているように見えて、実は他の生き物たちとしっかり関わりながら共存しています。
たとえば、ハグロトンボの幼虫(ヤゴ)は、水中で小さな生き物を食べ、魚やカエルに食べられることもあります。
こうした「食う・食われる」の関係が、豊かな生態系を形づくっているんですよ。
神様トンボがいることで、いろんな生き物たちの命のつながりが保たれているんです。
自然界の「ピースのひとつ」として、本当に大事な存在だなと感じます。
④自然の循環を支える
神様トンボは一生の間で「水の中」と「空の上」の両方で生きる生き物です。
ヤゴのときは水の中、成虫になると空を飛び回ることで、それぞれ違う環境に影響を与えています。
例えば、水辺のミジンコやアカムシなどをヤゴが食べることで、水質が保たれる手助けをしてくれます。
成虫になれば、また違う虫を食べるなど、いろんな形で「自然の循環」に貢献しているんですよ。
こうした生き物たちのリレーが、自然の恵みを生み出しているのだと思うと、すごくロマンがありますよね。
⑤地域ごとの貴重な存在
神様トンボは、日本全国どこでも見られるわけではありません。
それぞれの地域の自然や水辺が豊かなところにしかいないので、「地元の宝物」的な存在でもあります。
絶滅危惧種として登録されている場所もあって、地域ごとにしっかり守らなきゃいけない生き物なんですよ。
地元で見かけたときは、ぜひ「この土地の豊かさの証」だと感じてほしいです。
昔から地元の人たちにも大切にされてきた神様トンボ、これからもずっと残していきたいですね。
神様トンボの文化的・信仰的な意味4つ

神様トンボの文化的・信仰的な意味4つについてご紹介します。
それぞれの意味について、くわしくお話ししていきますね。
①「勝ち虫」としての縁起
神様トンボは、昔から「勝ち虫」として知られています。
その理由は、トンボが「前にしか進まない」習性を持っているから。
戦国時代には、武士たちが勝利のお守りとしてトンボのモチーフを兜や旗に使っていました。
「どんな困難にも立ち止まらず、前進し続ける」という意味を込めて、とても縁起の良い虫とされてきたんです。
実際、今でも受験や勝負ごとのお守りとして「勝ち虫グッズ」を見かけることがありますよね。
私も子どもの頃、「トンボを見たら運が上がるよ」と親からよく言われていました。
②ご先祖様の魂を導く虫
特に神様トンボは、お盆の時期に多く現れることから「ご先祖様の魂を導く虫」と信じられてきました。
「お盆になると、神様トンボが家の近くに舞うのは、ご先祖様が帰ってきた証拠」と教わった方も多いと思います。
地域によっては「トンボを捕まえたり、傷つけたりすると、ご先祖様に失礼」と考えるところもあります。
こういった信仰が、今も自然と暮らしの中に根付いているんですよ。
私の地元でも、お盆に神様トンボが現れると「今年もご先祖様が守ってくれてるね」とみんなで話します。
③日本の夏とお盆の風物詩
神様トンボは、夏の風物詩としても有名です。
水辺をゆっくり舞うその姿は、見ているだけで涼しげで、夏の訪れを感じさせてくれます。
特にお盆の時期は、家族で川辺を歩きながら「今年も神様トンボが来たね」と話題になることも多いですよね。
毎年この時期になると「夏が来たなぁ」としみじみ感じられる、そんな存在です。
私自身も、子どもの頃は神様トンボを見つけると、なんだか特別な気持ちになったのを覚えています。
④神聖な存在としての扱い
神様トンボは、その舞い方や佇まいから「神聖な虫」としても敬われてきました。
羽をゆっくり閉じたり開いたりする様子が、まるで神様に祈りを捧げているように見えるんです。
こうした独特の動きや美しさが、古くから人々の心をつかんできました。
「触れてはいけない」「捕まえてはいけない」とされているのも、その神聖さゆえ。
自然の中で自由に生きている姿を、そっと見守ることが大切なんですよね。
神様トンボを見つけたとき私たちができること5つ

神様トンボを見つけたとき私たちができること5つを紹介します。
どれも簡単に始められることなので、ぜひ意識してみてくださいね。
①生息地をそっと見守る
神様トンボを見つけたとき、一番大事なのは「そっと見守る」ことです。
美しいからといって、無理に近づいたり捕まえたりするのはやめましょう。
生き物たちが安心して暮らせる環境を壊さないためにも、観察は遠くから静かにするのが鉄則です。
写真を撮る場合も、フラッシュや大きな音には注意して、驚かせないようにしてください。
「見守ること」自体が、神様トンボへの一番の思いやりになりますよ。
私も水辺で神様トンボに出会うと、そーっと静かに眺めて癒されています。
②環境保護に参加する
神様トンボが生息できるきれいな水辺を守るために、地域の環境保護活動に参加してみませんか?
ゴミ拾いや草刈り、外来種の除去など、小さなことからでも始められます。
自分の住んでいる場所でできる範囲で行動してみると、自然への意識もグッと高まりますよ。
子どもたちと一緒に活動すれば、環境教育にもなりますし、みんなでやると意外と楽しいです。
「守っていく気持ち」が未来の神様トンボにもつながりますよね。
③飼育や捕獲は控える
「飼ってみたい」「家で観察したい」という気持ちも分かりますが、やっぱり自然の中で自由に生きてこそ神様トンボの魅力が引き立ちます。
先ほども書いたように、成虫の飼育はとても難しく、環境にもストレスがかかります。
捕獲や持ち帰りはせず、元気に飛び回る姿をそっと応援してあげてください。
どうしても観察したいときは、ヤゴの時期だけ育てて、成虫になったら自然に返す方法もあります。
無理に飼おうとせず、野生のまま見守ることがいちばん大切なんですよ。
私も子どもに「触りたい!」とせがまれたら、写真やスケッチで思い出を残すようにしています。
④正しい知識を広める
神様トンボの生態や文化的な背景を周りの人に伝えるのも、とても大切な行動です。
「縁起がいいから触っちゃダメ」「絶滅しそうなんだよ」といった情報を家族や友人に話してみましょう。
学校や地域のイベントで自然観察会があれば、子どもたちにハグロトンボの話をしてあげるのもおすすめです。
みんなが興味を持てば、自然を守る力も広がっていきます。
自分が知っていることを「ちょっとシェアする」だけでも、世界は変わっていきますよ。
私もSNSやブログで、時々神様トンボの話を発信しています。
⑤自然観察を楽しむ
最後に、神様トンボだけでなく、自然そのものを楽しむ気持ちを大切にしてください。
四季折々の草花や生き物たちの姿は、何度見ても飽きません。
家族や友達と一緒に散歩しながら、そっと観察して「この生き物は何かな?」と会話するのも素敵な時間になります。
自然の中で過ごすと心がリフレッシュされて、ストレスも減りますし、発見もたくさんあります。
「見つけて楽しむ」「そっと見守る」…これだけで十分、神様トンボと素敵な関係を築けますよ。
神様トンボと未来を守るために大切なこと5つ
神様トンボと未来を守るために大切なこと5つを詳しくご紹介します。
今すぐできることから、一緒に始めていきましょう!
①水辺の清掃活動
神様トンボが住む場所は、きれいな水辺が命です。
ゴミや汚れが増えてしまうと、神様トンボはもちろん、他のたくさんの生き物たちも生きていけなくなってしまいます。
地域の川や池の清掃活動に参加したり、身近な場所を少しだけきれいにすることからでも十分効果があります。
友だちや家族と一緒にゴミ拾いをすれば、自然とコミュニケーションも生まれますし、ちょっとした達成感も味わえますよ。
私も毎年、地域の水辺で清掃活動に参加していますが、小さな努力でも生き物たちの未来につながると感じています。
②地域ぐるみの保護
神様トンボのような希少な生き物を守るには、地域全体で協力し合うことが大切です。
町内会や自治体で保護活動を進めているところも増えています。
「みんなで守ろう!」という気持ちが広がれば、環境もより良くなりますし、トラブルも減ります。
地域で観察会や勉強会を開くのもおすすめです。
みんなで知識を深めることで、将来にわたって神様トンボと共存できる社会を作っていきたいですね。
私の地元でも、川の保全活動に地域の子どもたちがたくさん参加しています。
③子どもたちへの教育
未来を担う子どもたちに、神様トンボや自然の大切さを伝えるのはすごく重要です。
学校の授業や地域のイベントで、生き物観察や自然学習の機会を作ってあげると、興味もグッと高まります。
「生き物は捕まえるものじゃなくて、一緒に生きていくもの」という意識が育まれると、将来も安心ですね。
家庭でも、「神様トンボを見つけたらそっと見守ろうね」と声かけするだけでも十分です。
自分も親になって、自然の大切さを子どもに伝える立場になって、その意義を実感しています。
④絶滅危惧種への理解
神様トンボは一部地域では絶滅危惧種に指定されています。
「貴重な存在である」という事実をしっかり認識して、みんなで守っていく意識が大切です。
絶滅の危機にある動植物はたくさんいますが、ひとりひとりの小さな行動が大きな力になるんですよ。
神様トンボに限らず、珍しい生き物を見つけたら「大事にしよう」と思うことから始めましょう。
私も珍しい生き物を見かけたら、つい嬉しくなってしまいますが、「そっと見守る」のが合言葉です。
⑤自然と文化の調和
神様トンボは、日本の自然だけじゃなく、文化や信仰にも深く関わってきました。
昔から受け継がれてきた価値観や伝統を、これからも大切にしていきたいですね。
自然と文化、どちらも大事にしながら未来へつないでいくのが理想です。
祭りや行事で自然を感じたり、地域の伝統を守ることも立派な保護活動のひとつですよ。
神様トンボと共に、自然や文化をこれからも大切にしていきましょう!
まとめ|神様トンボを捕まえてはいけない理由
神様トンボは、ただの美しいトンボではありません。
ハグロトンボとして生態系を守る役割を果たし、絶滅が心配されるほど貴重な存在です。
飼育の難しさや寿命の短さからも、自然の中でそっと見守るのが一番。
そして何より「ご先祖様の魂を導く虫」や「勝ち虫」として、私たちの心や文化に深く根付いています。
これからも神様トンボと、豊かな自然や日本の文化を大切に守っていきたいですね。